今回のお客様 歯科技工士のsisiyさん
ポンティックの形態について
ポンティックの形態は、清掃性だけを考えると当然ながら離底形になります。
臼歯部に関しては船底形で更に突っ込み磨きの際にブラシの毛先が、
3〜4本に入るくらい隙間を開けるのが理想的と思われます。
それはポンティックの基底面と歯肉の隙間が、
少なくとも毛細管現象で唾液がはいるくらいあけておかないと咬合時に歯根膜が沈み込んだ時、
粘膜を少しずつ圧迫して(キッシング現象)腫脹を起こす可能性があるからです。
しかし特に小臼歯は、審美的な事や上顎大臼歯では発音の問題もあるため実際の臨床においてリッヂラップのケースが多くなります。
また歯科衛生士が歯科技工士に使用している歯間ブラシを渡したり患者さんの情報を提供する事は、スタッフ同士のコミュニケーションにも役立ちますが、
歯科技工士は石こう模型を相手にしているため(硬いもの)ある程度は、
経験と勘に頼るしかありません。
その時シリコンでの圧迫印象の場合、柔らかい粘膜の部分は微妙におされて、
石こう模型に再現されるので、歯肉の正確な再現はとても難しいと言うことも事実です。
更に補綴物の清掃は基本的には、歯ブラシ1本でプラークコントロールを行うのが理想ですので、
フロスや歯間ブラシなど煩雑になればなるほどメンテナンスが難しくなるため、患者さんが長続きする方法を考慮することも大切になるかと思います。
チェアサイドで注意すべき点
補綴物セット後歯肉にいちばんダメージを与えるのは、セメントラインではないでしょうか?
もちろんカントアーも重要ですが、セメントはそれ以上に歯肉に対し影響があると思います。
セメントの取り残しは論外です。
ブラッシングは良く出来ているのに一向に腫脹が治らないというとき、セメントが残っていたなんてこともあります。
(もちろんそれだけが、原因ではありませんが・・・。)
最後に
補綴物は、口腔内ではどんなに上手に作っても、異物には変わりがないので、
それを技工士はいかに異物感のない異物に仕上げるかも大事なポイントになると思います。
また歯周組織、咬合のためなど全てにおいて重要なのは、よい印象、フィットのいい
補綴物、よい歯肉の健康状態を保つ技術を、患者さんに指導するなど、患者さん
を含めたすべてのスタッフのチームワークという事に行き着くと思います。
おまけ
一般的に使用される材質の中でプラークの停滞しにくい順番
- ポーセレン
- ゴールド
- パラヂューム
- シルバー
- レジン
備考
- 金属は、酸化するとプラークが、つきやすいと思われます。
- レジンは、筆ずみ、熱重合、光重合とで違いがでます。
- チタンはかなりいい素材らしいですが、使ったことがないのでわかりません。
皆さんからのご意見お待ちしています。sisiy
今回はsisiyさんの口腔衛生管理における補綴物や歯科技工士の関わり合いについてのお考えを紹介させていただきました。
誤字脱字は代筆したTOMOKOの責任です・・・。
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